学会情報

中国史史料研究会 会報第16号:試し読み

表紙は敦煌の莫高窟。


赤坂恒明「苟且図存(かりそめに存を図らんとせば)―内モンゴル大学における一日本人モンゴル史研究者の教育活動―(三)」

地元の税務署へ青色申告の申し込みを行いました2017年11月21日、師兄(大学院のゼミの先輩)である滋賀県立大学のボルジギン・ブレンサイン教授から電子メールが届きました。ブレンサイン師兄とは、明石書店の『内モンゴルを知るための60章』の編輯で一緒に仕事もしており、いろいろと懇意にしていただいております。そのメールの中に、

私は週末上京します。24日(金)東京にいますが、もしよかったら新宿かどこかでお会いしたいと思います。話したいことがあります。

とありました。
何か本でも譲ってくれるのかな、と軽く思いまして、了解の返信を送りました。
11月24日金曜日の予定は、午前は埼玉学園大学(最寄駅は武蔵野線の東浦和駅)での講義、午後は社会人向けの早稲田エクステンションセンターの公開講座がありますが、夕刻以降ならば時間を取ることができます。時間調整の結果、調布まで私が出向くこととなりました。……


亀田俊和「亀田俊和の台湾通信 第16回」

今回は、新型コロナウイルスをテーマとしたい。
台湾で新型コロナウイルスに関する情報を聞き始めたのは、2019年の冬と記憶している。最初は、中国で恐ろしい風邪が流行り始めているという感じで伝え聞いたような気がする。
年が明けて2020年となり、その病気が少しずつ世界に広がり始めた。すると、台湾ではほとんどの人が自主的にマスクをするようになった。2月上旬、まさに爆発的に流行し始める直前、私は講演のために日本に帰国した。日本では、台湾とは対象的にまだマスクをつけている人はほとんどいなかった。日本の方が意識が遅れているのではないかと思った。かく言う私も、マスクをつけるのは嫌いなのであまりしていなかったが。
台湾に戻ると、いよいよ本格的に流行し始めた。さっき言ったように、もともと台湾では大半の人が自主的にマスクをつけていたが、これはすぐに義務となった。と同時に、マスクが足りずに買えなくなる騒ぎが起こった。……


蓮田隆志「東洋学の名著 第四回:山本達郎(編著)『ベトナム中国関係史:曲氏の抬頭から清仏戦争まで』(山川出版社、1975年)」

1975年4月、ベトナム共和国の首都サイゴンが陥落してベトナム戦争が終結した。この年の暮れに、山本達郎(編著)『ベトナム中国関係史』と後藤均平『ベトナム救国抗争史』(以下、前者を『関係史』、後者を『抗争史』と略称)が上梓された。日本におけるベトナム史研究にとって記念碑的な、そして構成と執筆姿勢において対照的な2冊だが、本稿では主として前者を紹介したい。
中国史を冠する会報にベトナム史の著作が紹介されることを奇異に思う会員もおられるかもしれないが、筆者も原稿料欲しさにホイホイと依頼を引きうけただけで事情はよく知らない。とはいえ、現在ベトナムと呼ばれている地域の北半がかつて漢や唐といった中華帝国の一部であり、漢字・儒教・漢訳仏典などを受容したいわゆる漢字文化圏の一部であること、この地に興起した諸王朝が皇帝号や年号、科挙、律令といった道具立てを採用した中国式国家を建設したこと、他方、宋以降の全ての王朝・共和国がベトナムに派兵し、ベトナム史とは一面において中国への抗戦の歴史であることなどを知る会員も多かろう。
政治・軍事・経済・社会・宗教・文化いずれの側面でも、そしてどの時代でもベトナムにとって中国の影響は大きい。10世紀以前の中国支配期を知ろうとすれば中国の歴代正史や政書類が基本史料となり、独立王朝が存在した時期も主要文献は漢文で記された。これを無視してベトナム史を語ることは不可能に近い。……


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