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「降清漢人」から「漢軍旗人」へ: 「盛京生まれ」を中心に 中国史編
漢軍旗人の大部分は、投降・俘虜・略奪、或いは自ら清朝(後金国)に帰順した旧明朝の官民及びその子孫であり、八旗に編入されることで「満洲化」した。本稿は「降清漢人」のうち高級武官数名とその継承者を考察の中心とした。彼らは清朝に帰順すると故郷の妻子と生き別れになるが、太宗ホンタイジより別に妻を賜り子をもうけた。清朝が漢地を支配すると高級武官は故郷の生き別れの妻子と再会するが、彼らが清朝で得た世職は長子でなく清朝帰順後にもうけた「盛京生まれ」の子に承襲させている。これは清初「漢人満化」の主導的な現象であり、研究者が見落としてきた部分である。
※本書は中国語原文「従“帰附漢人”転到“漢軍旗人”―以“盛京出生”者為中心―」(中国人民大学清史研究所主編『清史研究』2015年第4期、2015年12月;改訂版は劉小萌主編『国際青年学者満学研究論集(2015)』中国社会科学出版社、2017年6月)所収の論文を日本語訳し、志学社論文叢書の一冊として電子書籍で単行したものです。
表紙画像:「盛京(現・瀋陽故宮)の大政殿」
目次
序言1
一、祖大寿一族の興起4
二、祖大寿と「祖家将」の成立12
三、八旗漢軍に編入された「祖家将」24
結語39