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鮮やかによみがえる「対匈奴最前線」──漢帝国の長城のまもりと、辺境に生きた人びとの姿
秦の始皇帝の時代、将軍・蒙恬によって匈奴は豊かなオルドスの牧地から黄河の北へと駆逐された。
しかし、秦末の混乱に乗じて冒頓単于は匈奴の勢力を再編・拡大し、あらたに誕生した漢帝国に対して優位に立った。
この関係が転じるのはくだって武帝期のことで、衛青・霍去病といった有能な将軍の出現もあって、
漢帝国は「河西通廊」の確保に成功する。河西通廊には郡が置かれ、漢帝国の辺境かつ対匈奴の最前線となった。
本書では、北辺の守りとして長城とともにこの地に設置された望楼や城砦、そこで勤務する兵士たちの生活、文書伝送のシステムなど、
帝国の辺境かつ「フロンティア」の様相を、出土文字史料である漢簡を駆使して復原する。
匈奴の侵入にはいかに対処したのか。兵士たちはどんな日常生活を送っていたのか。北辺の官吏たちはいかなる職務をになったのか。
そして、長城や城砦は、匈奴から何を守るために置かれたのか──。
99年刊行の同名書に、大幅な改訂をほどこすとともに、新たに補篇「書記になるがよい」を加えた決定版。
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